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カッティングシート

かなり昔にはなるが、弊社には当時出たばかりのカッティングシートを切るマシンが存在した。当時はいくらしたのかはわからないが、何百万円もしたことと思う。それは私が中学生の頃に導入されたので、既に20年以上経過している機械ではあるが、いまだに現役である。

当時は赤ベースというフィルムを作成するシートがあり、デジタル化されていないフィルム作成の時代ではあった。Windows等も存在しなく、全てはDOSベースで巷ではNECの98等という物が流行っていたような時である。DOSベースのシステムに文字を打ち込み、書体を選択して寸法を決定、あとは自動的にマシンが赤ベースを切ってくれたようなものであった。それがあれば自社内でフィルム作成ができ、当時はほぼ毎日使っていた。先代の父親が機械音痴だった為、フィルム作成は全て私の仕事となり、学校から帰るやすぐにフィルム作成の依頼がほぼ毎日あった事も記憶している。

物によっては書体ではできないイラストや特殊文字もあったが、そちらはポインターという物を使い、点と線を1つ1つなぞってデータを作成、フィルムを出していた。どんな機械なのか、好奇心があった私は日本地図を1つ1つなぞり、それを出力しては喜んでいた。仕事にはならなかったが、それを見た人はそうとう驚いていたようである。

カッテングシートも当時は高価なもので、いろいろやらせてもらったが、今は弊社としては行っていない。カッテングシーとと切る業者がそこらじゅうに出てきているのも現状であり、且つシートそのものの値段も暴落している。依頼があれば切ったり、必要があれば赤ベースでフィルムを出すことはできるが、殆どの大型印刷はインクジェットでできているので、フィルムの出力もほぼA4サイズのプリンタでできてしまう。

使える機械なので捨てるわけにはいかないが、20年も経過しているマシンなのでいづれは処分しなければならないであろう。子供が少し大きくなったらいたずら用として使わせて、アナログ的な古いパソコンとはこんなだった、と教えるのも良いかもしれない
cvut