印刷ブログ
BLOG

123

野球ボールにパッド印刷

野球ボールにパッド印刷を行った。これは正直難しい:

素材: 天然皮革 (天然ものに密着するインキが無い、メーカーのロゴマークもテープ剥離であっけなく剥がれてしまった) とりあえず社内にある一番密着のよいであろうインキに硬化剤を混ぜて試験、それ程悪い結果では無かった。(100%とは言えない)

球体: 線を印刷する場合の角度の調整(データブリッジ)が難しい。これは何度も行うと版代がコストでかかってしまうので、2-3回でやらなければならない。

位置合わせ: 球体で目印になるような物が無い、ボールの縫い目も全て異なるような正確なものではないので、1つ1つ位置が微妙に異なってくる

ということで今後はあんまりやりたくはない案件です(笑)、しかし上記の条件でも構わなければお受けできます

ball

透明インキで色を重ねる

紙の上に色を印刷し、その上に黒い印刷をのせたい、という案件があったが予算が足りない。大きなフィルムを出すだけでも1万円を超えてしまうが、予算が数千円。

それでは黒い印刷をインキジェットでおこない、その上に色をのせてはどうか? 通常であれば顔料が強ければ黒が隠れてしまうが、透明インキに蛍光パウダーを混ぜて印刷すれば、黒をつぶさずに上から印刷することができる。

写真ではわかりませんが、黒い線の上にインキをのせてあります

こういったコツや特殊印刷も手刷りだからできるんです。シルクスクリーン印刷、変わった案件などご相談ください

paper

アクリル素材にコンクホワイト1色

黒いアクリル素材に平面のシルクスクリーン印刷を1色、素材が黒なので通常のホワイトでは色負けしてしまう。

そこで白の顔料が多いコンクホワイトを使い、印刷。そうすることにより白の強みが一層と強く出る。

アクリル素材にはいろいろなインキが使えるが、弊社はよくセイコーアドバンス2500を使い、それで印刷。

2種類、合計100枚、先日に持ちこまれ即製版、即印刷。翌日には納品できる。スピードも勝負、自営業ならではの強みです。

acrylic

大きなシルクスクリーン印刷可能です

今は殆ど恐竜か化石と言っても良いであろう仕事になっている大型のシルクスクリーン、弊社ではいまだに現役でできる

写真は弊社のなかでもかなり大きいという版を自社製版し、印刷しているところだ。ここまで大きな印刷はもう99%がインキジェットにとってかわっている時代ではある、が、しかしそのうちの1%はどうしてもインキジェットではできない材質、やりたくない色合い(色の濃さ)、出せない色(蛍光色等)となる。

妥協すれば良いのであろうが、妥協したくないデザイン、案件、プロジェクト等が世の中にはある。それを実現させるためにはアナログなやり方、シルクスクリーン印刷の手刷りで再現するしか方法が無い。

もちろんインキジェットでできる事は機械でやってしまえば楽であろうが、枚数が多い場合とデザインによってはこのような大きなシルクスクリーン印刷でもインキジェットの価格より安くできる場合がある。世の中ではインキジェットの方が安いだろう、というある意味デファクトスタンダードができあがっているので、インキジェットの価格とシルクスクリーンを比較する方は殆どいない。 逆にシルクスクリーンの価格をインキジェットと比較する方は多いであろうが、弊社のような自社製版できる印刷所の価格と比較すると驚かれる場合が殆どだ。

シルクスクリーンの版代は以前と比較すると安くなっています、ご遠慮なくお見積お問い合わせください

big

長岡市の中川酒造

今日の午前中だけは週末に中国・香港より来られた2人を連れ、新潟県長岡市にある中川酒造(越の白雁)に出かけた。

ほんの3人の少人数にも関わらず杜氏の方が快く蔵見学を受け入れてくれ、じっくりと日本酒に関しての作りを学ぶことができた。まだ仕込が本格的に始まっていない時期であったので、全てを見る事はできなかったのであるが、それでも1つ1つ丁寧に酒造りを説明してもらい、それを通訳しながら45分ほどの見学となった。

新潟県長岡市にはこのような小さな蔵が無数にあり、これが観光資源になると思っている。海外からの旅行者も東京飽きしている方も多く、いつでもこれる東京はいいので、日本の地方を見たい、という方が増えている。

そんな中酒ツーリズムで地元長岡市を盛り上げたい、という気持ちはある。シルク印刷業とは全く無関係ではあるが、それでも酒好きな私にとって、このようなイベントを支えるのは面白い。

今週は大型のシルクスクリーン印刷がなぜか多い、いろんな仕事があるのでそれが楽しくてやめられない

rice

採算と効率を度外視する

弊社は親子たった二人の小さな印刷屋といっても良いくらいの規模のまちなか印刷屋さん、という感じかもしれない。

設備は昔からの物があるので自社製版や小さなフィルム出力であれば問題なく全て自社内でできる。大きなデータ等になるとめったに出ないので外注でフィルム作成をしてもらうが、それでも製版は全て自社内で行う。

今朝もB1ポスターの原寸大を2色行うために、おおきな製版を行った。版だけでも外注すれば受注金額をはるかに超えるであろう大きさになる。

採算と効率を考えればおそらくどこの印刷屋も受ける事はないであろう案件であるが、たまに採算(いわゆる儲け)や効率(時間給にすれば最低賃金を下回るであろう)を完全に無視して受ける仕事もある。

それはそれが経験となり、ある意味他社にはできないという分野のPRにもなるからだと思っている。世の中儲けばかり考えてしまうのは商売としては間違ってはいないと思うが、PRの為になにかを行う、という行為があっても良いと思う

ここまでくると超大型

今日から大きな印刷がある、フィルムもB1サイズと大判となり、ここまでの大型フィルムをだせる会社を見つけるにも苦労したが、今度は製版である。

幸いにもフィルムさえできればあとは社内で大型の製版機があるので、1mx2m程の製版でも問題なく自社製版できる。

一度に1mx2mの製版はできない、どうしても露光機の範囲があるので、良くて1mx1mとなる。まずは片方を終わらせ、残りの片方は再度乳剤を塗布して乾燥させ、午後に製版をする予定でいる。ここまで大きいと乾燥させるにはドライヤーでは時間がかかるので、自然乾燥させたほうが楽だ。

大型のシルクスクリーン印刷、1mx2m程でも印刷は可能です。お問い合わせください。
han

紫外線(UV)と印刷

UV印刷、という印刷方法があるように、印刷には紫外線(UV)がかかせない場合が多い。

UV印刷の場合はUV硬化型のインクを使って印刷をし、そのインキを紫外線(UV)を投射することにより固める、という印刷方法だ。

シルクスクリーン印刷やパッド印刷では製版をする時にUV(紫外線)を投射する。シルクスクリーンの場合は版に塗る乳剤(感光液とも言う場合がある)を紫外線の光によって硬化させ、真っ黒なポジフィルムを当てた部分だけは紫外線が投射されない。よって乳剤が硬化しないので、水現像するとフィルムの部分だけ現像され、そこにインキを流し込むことにより印刷ができる。

弊社には古くからの機械で縦横1x2m程の大きな製版機がある。これほどの大きさを製版するのは1年に1回くらいではあるが、それでもまだ大型のシルクスクリーン印刷の需要はある。できる機械をもっているところが少ないのであろうか、時たま弊社に依頼がやってくる場合がある

パッド印刷の場合は樹脂版があり、そこにポジフィルムをあて、紫外線を投射する。上記と同じ現象で製版ができるが、ちょっと性質が異なる。詳しくは文章では書きにくいので明記はしないが、いずれも紫外線との付き合いが大変重要な仕事にはなる。

紫色の光なので子供にとっては面白いのであろうが、紫外線を多く浴びたり見ると身体に悪いのでなかなか説明がし難い。(悪いけど仕事に使うんだよ、、、とまぁなんといえば良いのであろうか。)

light

やはりパッド印刷は難しい

先日はサンプルということで市販の凹凸のあるライターにパッド印刷を行った。

市販の普通のライターであればシルク印刷で簡単にでき、セットアップも早い。その分単価も低いであろうが、最近は嫌煙されているのであまりライターが出ないのかもしれない。

凹凸があるライターなのでパッド印刷で行わなければならないが、ベタ面が多いので製版でも手こずってしまった。最終的には納得がゆく版ができるまで10版程作成、時間がかかったが最後の版で印刷したロゴは綺麗にできていた。

ベタ面のムラやインキの乗り具合、ブリッジのかけ方など、いろいろな調整をしなければならないのがパッド印刷でもある。データ上では直線だが、被印刷体が曲がっているのでデータのまま印刷すると仕上がりが曲がって見える。それを防ぐためにもデータをわざと湾曲させ、印刷すると仕上がりがまっすぐになる。

この調整はすぐにはできるわけではなく、何度も試をしなければならないので、必然的に製版をする回数が多くなる。1回でできればベストではあるが、殆ど2-3回はやらなければならない

ライターへの小ロット名入れ印刷、市販ものでも湾曲したライターでも、印刷は可能です

lighter

今後を如何にするかが考えどころ

父親の急死に伴い現在のシルクスクリーン印刷を継いでもう3年目となる。それまでは子供の時から、記憶をたどれば小学生の低学年だと思う、印刷補助の仕事を手伝ったり、乳剤の塗布や露光を見たり(その時の機械がいまだ現役である)、洗浄液を補充したり、等々、実際のスキージを持ち印刷をさせてもらった経験はないが、それ以外の仕事は一通り中学生になるまでにやったことがあった

実際のスキージを持たせなかったのはなにかしらの理由があるのであろうが、それを聞かずに先代はあの世へ去っていった。20-30年前の印刷物と今の印刷物は時代の変化を反映しているともいえる。

インキジェットの登場により紙印刷は激変、国内製造工場の海外移転によりメーカー物はほぼ皆無となり、現在は小ロットの消費者ニーズや私が以前から気になっていたパッド印刷(凹凸面や球体への印刷)の需要が伸びている。そこへ曲面印刷(回転印刷)を取り入れ、他社ではなかなかやらない、まして小ロットでは全てが断られる分野を得意として始めた。もうすぐで3年目になるが、軌道に乗ったとは言えない。しかし私は判断を間違ったとは思ってはいない。

日本の少子高齢化とメーカーの海外移転(円高による理由では無く、販売市場が必然的に海外にウエイトが移転すると思う)により、国内の人件費や商売はますます変化するであろうと思う。メーカーの印刷はもう期待はできない、自分で市場を作りそして開拓してゆかなければ先が無いと思う。私も残りの人生半分を過ぎた、この先どう過ごしてゆくのか、毎日考える事が多い。

123