印刷ブログ
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下請けを脱出

弊社は父親の時代に創業、それも私が小さいころで初めは覚えてはいないが、小学生の頃の記憶は良くのこっている。学校からかえるなり印刷補助の仕事や何かしらの手伝いをさせられたのを覚えている。それも特に気にはならず面白かったのでできるかぎり手伝ったことは記憶にある。

その時も暗い部屋で乳剤を塗っていた父親を記憶しているが、当時はなにをやっているのであろう、と不思議に思っていたが、それを今は自分がやっている。

以前はメーカーのロット数の多い仕事で下請けのような仕事であれば営業する必要もなかったが、今はそうもいかない。かといって営業に出る程人材がいるわけでもなく、いまだ自営という家族2人できりもりしている小さな印刷工場と言える。それでも他社ではやりたがらない、やろうとしない、できない難しい印刷に挑戦して、なんとか生き残っている。

これからは下請けではなく、B2Cの感覚で消費者が求める小ロット多品種へのシルクスクリーン印刷やパッド印刷をやっていこうと決め、早2年経過。それなりの展開もあるし、進んだ方向が間違っていないと確信できるようになってきた。

今週もどんな案件がくるのか楽しみにしている

落版

先日はすこし暇になったのでたまっていた版の落版作業を行った。版もそのまま長く放置すると硬化した乳剤がなかなか落ちない、そして紗にへばりつくようになるので、再版予定が無い物は早めに落版するようにしている。

落版する事を伝えるとお客さんによっては版代を取らないでほしい、という方もいるが、そうもいかない。版代は版の枠と紗の為にとるわけでは無く、乳剤の塗布に硬化、そして落版の作業代という手間暇にかかることになる。もちろん新品の紗と何度も使った紗では質が異なるので、紗も消耗品として費用がかかることになる。

精度が必要な印刷には新品の紗を使い、ある程度新品でも綺麗に印刷できそうなデザインや文字であれば再利用の紗でも問題は無い。ここらへんは勘でやるようにしているが、本当であれば毎回新品の紗を使いたいが、世の中版代を高くとれる時代ではないので、どうしても再利用となってしまう。どこの印刷屋さんも同じことをしていると思うが、いまだに新品の紗だけをつかっている会社さんもいるかもしれない。そこまで版代をとれるならば良いのだが、単に知らないで高く支払っているだけのユーザーさんも多いのではなかろうか。

こんなことを本来では書くべきではないのだが、私は正直に何でもお伝えしようと思う。予算があってないような仕事が印刷なのかもしれない

ボールペンに名入れ 重ね刷り

先日はいつもの忙しさがウソのように何もなかったので、頼まれていた持込ボールペンへのテスト印刷をのんびりと行った。

こちらの方は以前持込のボールペンに名入れをしたが、色の濃さがどうも良くなかったらしい。あらかじめご説明するとパッド印刷の印刷膜はシルクスクリーンのそれと比較すれば1/5程度になる。なのでどうしても比較すると薄く見える場合があるのだが、今回は金色を黒のボールペンに印刷する案件であった。

素材の地が黒なので沈みが出てしまうし、一番色の濃いK100%に色をのせるわけなので、どの色でも負けてしまう。比較的のりがよく負けない色が金か銀となる。金銀の粉をメジュームという透明インキに混ぜて色をつくるのであるが、濃くするには粉を多くいれる。しかしながら粉を入れすぎると密着しない。今回の素材は中国製の正体不明のボールペンなのでSG740インキに硬化剤を入れてやっと密着できたくらいである。

先日は色の濃さをパッド印刷で解決する為に、1回、2回、3回とパッドを押した。ズレも全くでないように治具と固定する方法を発見できたので、見事に綺麗にできた。もちろん3回押せば1回よりは濃く見えるのだが、2回でもそこそこの濃さなので2回程で納得いただければと思う。

写真では見づらいかもしれないが、現物を見るとはっきりと違いがわかる。持込のボールペンで小ロット印刷をやる印刷会社がなかなか無いのが現状かと思うが、弊社では何個でもどんなペンでも(一部インキのつかない素材があるが、それでも何とかしてしまう。ゴム素材を除けば)快く引き受けしている。
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クリヤファイルに名入れ印刷

台風が来ている模様だが、、、仕事はとまりません。さて、クリヤファイル(よくある市販の1枚10円以下の物ですが)に名入れ印刷の依頼が多くなるのが期末あたりです。

学校であったり会社の案内であったりと、何かと新年度付近に集中するのですが、これもまた専門の業者がいる感じです。多分それなりの設備投資をして専門にやっているのでしょうが、簡単な単色から~3色程度の印刷であり、尚且つ小ロットであればシルクスクリーン印刷でやれば安く仕上がります。

100枚以下のクリヤファイル印刷を希望されている方も多いとは思いますが、専門の業者だとなかなか受けてくれません。その点アナログな弊社では10枚でも20枚でも、逆に1万枚、、、などとなれば断るかも(笑)

ファイルもまとめて買えば1枚6-7円程度でホームセンターで買えます。そこにちょっとした名入れをするだけでノベルティとしての宣伝効果もあるので、小ロットのクリヤファイル名入れをお探しの方はご遠慮なくお問い合わせください。もちろん予算等も含めて

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創立40周年

昨晩は弊社取引先の創立40周年記念パーティに招かれた。世界で1つという技術と商品をもっているので非常にユニークな企業であり、弊社はそこの計測器にシルク印刷を行っている。

競合が全くいないという技術と製品には驚かされるが、やはり社長の人柄や経営方針がそうさせているのかもしれない。世界に出荷するセンサーの翻訳も私の方でお手伝いさせてもらっているが、昨日の式典でのお話を聞いてうれしく思った

まだまだ日本企業でも世界で活躍できる場があるので、頑張っていこうと思う。

薄~い和紙にシルク印刷

先日も急ぎ、であった(どうもここのところ急ぎが多い傾向にあるが、それになんとか対応できるのが自営の強みである)

薄い和紙、角もふわふわになっているので位置合わせが難しいが、枚数は10枚ちょっとなので、比較的問題は無い。墨1色、1つ1つ名前が異なるので多少の手間はかかるが、今日の午前で問題なく終わるであろう。

気づけばもう金曜日、、今週は早かった。3連休となるが、休みも気にせずに仕事になる。仕事があることは嬉しい、感謝しなければならない

washi

印刷と調味料

たまに思う事があるが、印刷は調理人のような存在かもしれない。

色合わせ等でいろんな色を混ぜたりするが、素材の色によって変わる。先日も色の濃さの問い合わせがあった、既に名入れ済みの物であったが色が薄いと言われたらしい。素材は黒、そこへゴールドのインキを乗せる仕事であったが、素材の密着性が悪く(これまた粗末な中国製らしきものであったが、どんどんとふえている中国製の物へ対応できなければ商売にはならないと思う)、硬化剤を使用する事になった。

メジュームに金粉を入れて金をつくるのだが、金粉をいれすぎるとインキが付かない。金粉が多ければ濃い金ができるが、密着性の悪い素材なので入れすぎるわけにはいかない。こちらとしては限界の濃さでやってみたが、やはり納得がいかなかったのであろう。こういうこともあるが、素材に色と様々な条件が重なると難しくなる。

もちろん白を下地に印刷してその上に特色を乗せれば濃い色にはなるが、その場合は2色印刷となる。当然単価もあがるわけだが、ノベルティに単価をかけるわけにはいかない、というユーザー様が多いので、なかなか解決できない問題ではある。2度3度と印刷すればよいが、デザインによってはにじみがでる(更にインキによっても異なるので一概には言えない)

いろんな調味料を混ぜ合わせて同じものができない料理の世界と同じく、印刷もいろんなインキに素材、希釈液に硬化剤、温度、湿度、印圧等様々な条件が重なってできることになる。しかしこれが面白く毎日異なる仕事なので飽きが来ない

今週もフル回転している、来週も納期がある物が待ち構えているので月末までは気を抜けないであろう

無事印刷完了 ポリプロピレン素材へ印刷

先日は進めている大型ベニヤ印刷を2色程こなし、午後からは密着試験の完了しているフードポットへの名入れパッド印刷を行った。あらかじめインキの試験と治具は作成してあったので、あとは印刷するだけとなった。

これはいつもつくであろう汎用性の高いセイコーアドバンスのSG740と硬化剤でやってみたが、あっけなく剥がれてしまった。もしかして?と思い、ミノグループのPP用インキ(こちらは弊社がいつもプラダンにつかっている普通のインキである)で試したが、やはり強く擦れば落ちる(とは言ってもあそこまで強く擦る人もいないであろう。。。。)。そこへ物は試しでSG740の硬化剤を混ぜて印刷してみたら、どんピシャリで密着した。強く引っ掻いても強力なテープで剥離しても取れない(もちろん100%取れないわけではないし、絶対落ちないインキは存在しない) 他メーカーの硬化剤を混ぜるのはインキ業界ではご法度なのかもしれないが、何事も試さなければならない。

これであれば問題ないであろうと、小ロットではあるが1時間程丁寧にやって終わった。3回パッドを押して色を濃くしなければならないので、絵柄の出具合を見ながら途中何回か版の洗浄を行った。遅乾溶剤を入れてはいるが、いれすぎるとパッドを3回押す間に乾かない、かといって入れないとパッドがインキを拾った直後に乾いてしまい転写できない。環境と勘を頼りに調整しなければならない。

何度も思うのが、印刷は調理みたいな感じであると思う。白い素材に色を乗せる場合は紙媒体に印刷する感覚で1度印刷すればほとんどの色がでる。しかし素材が白でない場合は一度白をのせなければ画像・紙で出力したサンプルに近づける事はできない。かといって白を乗せた後に本番の色を乗せれば2色の単価になってしまう。しかもズレも懸念されるので、できれば1発の色で出したい。そんなときはかさね刷りをすればよいがパッド印刷の場合は治具次第で決まることが多い。シルクスクリーンは比較的インキ膜が厚いのでよほどの素材でなければ1回刷りすればかなり濃く力強いインキが出るが、パッドはそれの1/5程度の膜なのでどうしても薄く見えてしまう。

濃くなった味噌汁にいくら薄味の味噌を入れても薄くならないという感じであろうか?濃い素材に対して薄い色を印刷する場合は1度ではまず色が再現できない(例:黒いボールペンへ黄色の名入れ等とくにそうだ)

今回の出来具合は私の中では良かったと思うが、最終判断はいつもお客様となるので、最後まで気が抜けない

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大型印刷が続く

先週からの急ぎで大型のベニヤ板への印刷が急ピッチで進んでいる、予想するに消費増税前の住宅建築で使う物かと思うが、これなどまさに増税前の駆け込み需要を感じさせる印刷物ではある

1mちかいベニヤ板に4-5色の印刷をしなければならないが、なかなかここまで大きなシルクスクリーン印刷を手掛ける場所も無いのかもしれない。弊社でも年に何回か出るくらいの頻度であったが、最近になってはなんとなく大型シルクスクリーンの案件が多いように思える

こちらも急ぎでやらなければならないが身体全体を使うのでなかなか急げない、しかも乾燥に時間がかかるので1日によくても1色できるくらいであり、2色目をやるとなるとどうしてもくっつき気味になる。今週中には仕上げて納品予定になっているが、他の案件もあるので今週も忙しくなりそうだ