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MIGAKIタンブラーへ極小回転シルク印刷
新潟県にはMIGAKIというブランドが燕三条地域にあり、そこでタンブラーを作成している。
タンブラーの製造までは燕三条地域でやっており、そして印刷も恐らくできるとは思う。しかし今回弊社に舞い込んできた案件は極小ロットの限られた予算での7個のMIGAKIタンブラーへの名入れ印刷だった。
個数が少ないのである程度の値段がかかるとは思うが、クライアントの予算に合わせて印刷を行い、そして納品まで行うことになった。 7個の印刷のために費やす製版、冶具設定、印刷のテスト、焼付けは恐らく通常の印刷会社ではやらないかもしれない。
こういった極小ロットが得意な弊社は喜んで受けることになる。このような極小ロットでもシルク印刷でなければインクが密着しない案件も数多いとは思う。 写真の右側がタンブラー、ちなみに左側はアルミアルマイト加工されている日本酒のお猪口への回転シルク印刷及びパッド印刷の小ロットです
極小ロットの印刷案件、まずはお問い合わせください。
POM素材は難しい
POM ポリアセタール 素材に基本インキは密着しない。フレーム処理かコロナ処理を行い、SG740インキを使えば問題なく密着はする
処理装置の設備があれば問題は無いが、それほどPOM素材への印刷が頻繁にあるわけでもなく、ましてや小ロット対応で装置を導入するにはリスクが大きい。弊社なりのアナログな自作フレーム処理はできるが、あまりお勧めはできない。どうしても~という場合はアナログ的なフレーム処理を行い、SG740インキでPOM素材にパッド印刷をしたことがある。
フレーム処理もどこかに外注してそのあとに印刷すれば良いのだが、いつまでも処理の効果があるわけでもなく、できれば処理をしてすぐに印刷をした方が効果がある
POM ポリアセタール素材への小ロットのパッド印刷やシルクスクリーン印刷、可能と言えば可能です。写真はフレーム処理やコロナ処理をせずにSG740インキを引っ掻いた結果です、見事密着しません(笑)
シルバーはあまりお勧めしない
今回は黒いマグカップ300個に両面、シルバー(銀)1色となった。マグが陶器なので焼き付けをしなければならない。今日反対側を完了させるので、そのまま釜に入れて高温で焼き付けすることになる
陶器の場合はそれ専用の印刷とインキがあるが、シルクスクリーンだとおそらくセイコーアドバンスの#1000か#1690になるだろう。どちらも性能的には確認できているのである程度の密着は確認できている。
しかし今回の色はシルバーなのでメジュームという透明インキに銀ペーストを混ぜる。つまり粉を無理やり密着させることになるので通常の原色とは異なり密着度は良くない。
あんまりお勧めはできないが先方の希望なのでシルバーで印刷。ゴールドも同じく粉を混ぜるので密着は悪いが、ノベルティとして使うので恐らく問題は無いと思う。
タンブラーに印刷
ここのところよくてがけるセルトナというブランドのタンブラーに印刷。
よく調べてみるとメーカーで名入れもできる感じではあるが、名入れできる面積に制限があり、大きくそして広範囲に印刷することができない感じになっている。理由は恐らく印刷方式がパッド印刷、又はいろいろな大きさが印刷されるとなると治具や版も変えなければならないので、統一しているのであろう。
もちろんその方が担当者がやりやすいし、スムーズに行く。かと言ってそれでは個性のある印刷もできないし、希望のデザインを入れる事もできない。メーカーの指定の大きさだとなんとなく小さい、と感じる人もいると思う。
今回の名入れは縦が約80㎜それにあわせた横幅ではあるが、メーカーの指定範囲よりも大きい。十分に印刷は可能、その上急ぎの納期。通常であれば自然乾燥でOKではあるが、印刷した翌日に発送しなければならないので、温風乾燥で強制乾燥させておいた。
窯が大きいので上の部分だけにタンブラーがのる様に配置、乾燥した。窯の上と下で温度が異なる、必然的に上の方が暖かくなるので、効率よく乾燥させるには上に物を置いた方が良いと思った
タンブラーに印刷
バス停
バス停の印刷はよく受けている、停留所名だけカッテングシートで残りのベタが多い部分や共通している部分だけをシルク印刷する場合が多い。
素材は以前は塩ビを使われていた方が多かった模様だが、アルミ複合板(デラニウム)が出てからは耐久性の関係でこちらに切り替える方が多くなった。これだと多少の倒れでも割れない、ひどく倒れた場合でも多少バス停が曲がるくらいでそのまま使えるからだ
耐候性のあるインキや印刷、カッテングシートなどでは手間暇のかかる印刷はシルク印刷でやってしまったほうが安く仕上がる場合が多いので、是非ともお問い合わせ頂きたいと思う
インキはSG740(ある方いわくMS8の方が密着が良いらしいが、弊社ではいまのところSG740+硬化剤で問題は出てはいない。そのうちMS8を使い比較試験をしようと思う
耐候性と耐久性
外に取り付ける看板等には耐候性と耐久性が求められる、ある程度素材に頼ることにはなるが、今回は屋外に設置、踏みつけられる可能性もあるという事を想定し、ステンレスの板に4色印刷となった
画像は最後のメジューム(透明インキ)の印刷となる。これをやることにより少しでもインキの耐候性を向上できると思うからである。しかし、画像をみてなぜ4色?と思われる方もいるが、、
1.ステンレスが銀色なのでまず白ベタを印刷
2.その上に黄色を印刷(白ベタがなければ黄色にならず、どす黒い黄色になる)
3.文字の黒を印刷
4.透明インキをベタで印刷
1000シリーズのインキに硬化剤だったので、金曜日から初めて今朝までかかった。乾きの悪いインキで毎回焼き付け乾燥を行うので仕方がないが、今日の夕方には無事納品できることとなる
PP加工済みのファイル
効率や採算とは関係ない貴重な経験
和紙製の名刺に墨1色で名入れを3名分となった。昨年やったときは版の目詰まりが多く、100枚刷るだけでも大変ではあったが、今回はメッシュを270にして、乳剤を厚めに塗布したら、それ程つまりがなく終わった。
できてみるとかなりインパクトのある名刺で、これを貰った人は驚くに違いない。しかも高価な和紙であると想像するので、適当に配るようなものでは無く、やはり大事な会合等で必要な人にだけ渡す名刺だと想像する
商売でもそうであると思うが、同じもの、同じことをやっていればいずれは価格競争、真似事をされて衰退してしまう。人がやらない事、やりたくない事、変わった事をやることにより商売が成り立つかと思う。採算ばかり気にしていれば私が今ままでやってきた小ロットの印刷案件など、全く無意味になるに違いない。採算と効率を考えれば他人から見れば無駄だと思う事が、私にとっては経験というお金に換算できない貴重な資産となってきている