印刷ブログ
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ショットグラスに印刷

最近、、、多くなっているのがガラス製の成形物への名入れ印刷である。ガラス専用のインキ、つまりガラスの粉を溶かしたようなインキを使い、高温600℃で焼き付けするインキと方法を使えば絶対に剥がれないインキ膜ができる

しかしインクのコスト、高温にあげる釜の取扱に冷却等を考えると小ロットではなかなか難しいとは思う。そこまでの費用をかけてさらに強度を求めるのか?という部分でターゲットを決めなければならない

弊社で使用しているセイコーアドバンス社の1690インキはガラスに最適となっている。確かに使いやすさは良い、乾燥も150℃まで上げてあげればそこそこの密着になる。何回洗浄したらインキが落ちてくるか等はわからないが、T-15という強い版やインキを洗浄する溶剤でゴシゴシ擦ってもなかなか落ちない。前回は1000インキを150℃で焼き付けたがこれも落ちなかったので、1690インキの密着性はさらに上だと思う

ただし、成形物の表面を綺麗にアルコールで拭き取りその上に印刷をしなければ折角の高性能インキも密着が悪くなる。1つ1つアルコールで拭き取り、それから1つ1つ印刷、そして乾燥仕上げ。意外と手間暇がかかると思えば他社がやろうとしないのはなんとなく理解できる。

ガラス製品への名入れ印刷、小ロットでもお問い合わせください
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パッド印刷は奥が深い

昨晩はガラスのショットグラスにおおよそ25㎜くらいの円形のベタ印刷を行った。

パッド印刷でベタを刷る場合はいろいろと注意が必要となる。パッドはなるべく固めの物が良く、あとはパッドを押すタイミング、離すタイミングなどが関係してくる。こればかりは説明書を作るわけにもいかず、勘を頼りに行わなければならない。

連続して印刷してゆくうちに段々とインキのゲル化が起こる。そこで粘度も変わってくるので毎回パットの押し方を微妙に変えなければならない。しかしそのタイミングがいつなのか、誰も説明書を書けない。温度、湿度それぞれ環境により変化があるからだ

なんとか昨晩は全てを終わらせ高温150℃で30分くらい乾燥させ、終わったのが夜中の1時過ぎだった。今朝まで釜の中で放置して、梱包。今日か明日には納品ができる

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いつまでも乾かない

ガラスの被印刷体に関してはセイコーアドバンス社のインキの場合、1000シリーズがリストにのっているが、1690Nシリーズという高性能のインキもある。

自分なりに比較してみた感想としては:

1000シリーズ:  粘度が高く使いづらいが臭いに関しては我慢できるレべス
1690Nシリーズ: 粘度が程よく印刷しやすい、密着度及びインキの膜も1000シリーズに比べると厚め?しかし             臭いが独特で長時間作業する場合は少々頭が痛くなる

全くの個人の感想なので実際のメーカーの見解とは異なるかもしれないが、1690Nは高性能?らしきインクなのでその分刺激臭が大きい。インキを混ぜているだけでも少々気分が悪くなるくらいだが、そこに専用の硬化剤を入れるともっと頭が痛い。マスクか何かをしなければダメだと感じたが、そこまで頻繁に使うインクでも無いのでいまのところは気にしていない。

2日前にパッド印刷でベタを刷った物を今朝触ってみたがまだインキがべたべたしており、乾いていない。やはり1690Nは高温焼き付けタイプということが分かった。今はサンプルなのでOKだが、本番はガラスをアルコールで事前に拭き、表面の脂を落としてから印刷しなければ本来の性能が引き出せない。

印刷工程だけを見ていると単純かつ簡単に見えるが事前のセットアップ、表面の処理、乾燥後の箱詰等、いろいろな作業が関わってくる

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パッド印刷でベタを刷るのは難しい

パッド印刷で何が一番難しいかと言えば、治具の作成もある意味難しい部分ではあるが、ベタ印刷だと思っている。

シルクスクリーンのインキの膜厚はパッド印刷と比較すると比較的厚いので、ガラス製品等に使うエポキシ系のインキを使うと指で触った感触が感じるくらい盛りが厚くなっている

その反面パッド印刷は樹脂版にある凹版にあるインキをシリコンパッドでひろい、それを被印刷体に転写する事になるので、どうしてもインキの膜が薄くなってしまう。どれだけ薄いかと言われれば計測できるわけでもないのでわからないが、おおよそシルク印刷の1/3~1/5と言われている。

ベタの場合はムラが目立つ。版の隅から隅まで均一にインキがのっていなければすぐにわかるくらいベタ印刷は難しい。ましてや成形物が透明の場合はもっと難しく、少しのムラでもわかってしまう。

製版が綺麗にできて、インキの希釈、そして転写のタイミングがちょうど良くなったところでパッド印刷のベタ印刷が初めて綺麗にできた、といえる状況になる。

パッド印刷のベタ版を作る時の露光時間も工夫しなければならない、試行錯誤にあれこれ何度もやってみていろいろな結果が出た中で最適な版を使う事になる
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100線のパッド印刷

シルクスクリーンでは線数が多い印刷は難しい、もちろんUV印刷になれば可能ではあるが、コスト等を考えるとあまり決まりそうな案件でも無い。

その点パッド印刷の場合は線数が大きくなっても印刷ができるし、綺麗に再現ができる。写真はわかりずらいが100線の印刷をパッド印刷にて行った。上の方はベタなのでその下のぼかしを出す部分を100線のデータで製版、印刷してみた。ベタと線数の多いのを一度に印刷、酒のグラスに印刷となる。

ベタの部分は印刷面積が大きくなるのでどうしてもムラが出る。多少無理な印刷面積を再現することになっているので、ベタの部分の完成度はあるていど了解を得ている。本当に綺麗に再現となればベタ部分と網部分の2工程、又は網の部分の横幅を小さくしなければならない(今回はパッドの角度で最大限の120度くらいのアングルで無理やり印刷をすることになった)

網点(グラデーション)のパッド印刷、可能です。

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メーカー推奨では無い組み合わせ

PP素材はインクがつかない、というよりもつきにくい。弊社ではいつもPP素材への印刷をしているので、PPに密着するインキはあるが、それでもPPの素材によっては密着が確認できない。

特にザラザラしている風の素材へには密着しないのを確認している。以前たまたま依頼があり、なんとかならないかといろいろと試したところ、あるメーカーのPPインキと他のメーカーの硬化剤を混合してみたところ、密着を確認することができた。もちろん過度な力で引っ掻いたり鋭い刃物で引っ掻けばとれる、しかし普通に使うには問題ない密着強度を確認できたので以来そのコンビネーションを採用している。

今回のPP製マグカップも同じような素材で一応テストはしたが、やはりつかなかったのでいつものコンビネーションでパッド印刷を行った。

1度押しでは綺麗に出ないので、2度3度と印刷を重ね、小ロットの5個ではあったが、仕上げる事ができた。失敗しても拭き取りができる素材なので、重ね印刷ができるとは言えるが、なかなかの難しい印刷でもあった。

今日も少し仕事をして午後からは子供を連れて配達に出ようと思う。明日は大掃除、あっという間の新年になりそうだ

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PP素材にはインクがつかない

PP素材のカップに墨1色でパッド印刷、何度もやっているので想像はしていたがやはりインキの密着が完璧では無い。

テープ剥離は合格だが爪剥離では取れる。以前行った方法でやれば恐らく密着するとは思う、世間では仕事納めになっているが、弊社は明日も稼働することになる。

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陶器のマグカップへロゴ印刷

写真のような陶器のマグカップ、こちらへ小ロット印刷の依頼があった。まずはサンプル印刷、黒のカップへは白インキで、白いカップには黒インキを。

各1個となるが、サンプル扱い。サンプルがOKであれば量産、50個前後になるらしい。それでも小ロット、しかし弊社は小ロットが得意。

印刷方法はパッド印刷、白いカップの黒は問題は無いが、黒いカップへの白インキはコンクホワイトを使用。普通のホワイトでは沈んでしまい白が50%程度になるであろう、コンクホワイト(顔料が多い)で印刷すればホワイトが70-80%程度再現できた感じ

それでもパッド印刷のインキ膜は薄いので、完全なホワイトにはならない。2度押しすれば良いのだが、データ的に2度押しができないほど細い線がある(1㎜以下)。なんとか1回のパッド印刷でそこそこの色を再現

マグカップへの印刷、お問い合わせください

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ゴルフボールに少ロット名入れ印刷

ゴルフボールに名入れ印刷ができないか?という問い合わせがあった。ゴルフボールには何度も印刷をしているが、注意点が多少なりともある

1.インキの選択(硬化剤をいれなければショットのインパクト時にあっけなく剥がれてしまう)
一度試験をするためにあるメーカーのインキ+硬化剤を使い印刷したものを近くのゼビオというスポーツ店に持ちこみ、室内ショットをさせてもらった。ゴルフは昔やったことがあるので、ドライバーを1本借り、インパクトの来る部分を思いっきり何とも叩いてみた。結果剥がれる事は無く合格と判断。(よくある ダフッタ というインパクトだと恐らくインキは落ちるが、ボールそのものが変形するので仕方がないと思う)

通常メーカーはオーバーコートをしてあるのでメーカーの印刷部分は落ちないが、同じにするにはそれなりの設備とお金がかかると思われる。

2.データのブリッジ
球体に印刷することになるので、データを180度の線のままで印刷すると歪みがでる。データにブリッジをかけて故意に湾曲させて製版をしなければならない。この具合が難しい、1回でできる場合もあれば2-3回版を無駄にしてようやく綺麗になる場合がある

といったところであろうか

パッド印刷でのムラと斑点

先日のブログにも書いたがここ数日スランプが続いていた、巨大な成形物にパッド印刷をしなければならないが、文字も大きい。そこそこのベタ感もあるので、懸念してた色ムラと斑点が気になっていた。

もともとパッド印刷のインク厚は非常に薄いので透明の素材への印刷はあまり適していない。インク厚が薄い分それだけムラが目立つこととなり、更に斑点等も見えてしまう。斑点はすぐに解決できたが、インクのムラは素材を日向で透かしてみるとよくわかる。しかし通常視点から見る感じでは全くわからない。

いかに100%のインク分散に近づけるかが課題ではあったが、昨晩の様々なテストでなんとか解決策を見つける事ができた、よってスランプを脱出し、最終的なテスト印刷まで行う事ができた。

最終的には希釈とパッドを押すスピードが解決策となったが、これも素材と温度、希釈により異なるので何度もやらなければならない。コツをつかんだので本番が決まればスムーズにいくことは間違いない
doam