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SAATI Textil HHW 乳剤温度・湿度の違いと露光時間

布系で白を再現するために厚く塗布できるイタリア製のSAATI TEXTIL HHW乳剤を仕入れたのが2か月ほど前、まだ夏の暑さが無い涼しい時期だった。

当時はそれほど気を使わずに印刷ができ、きれいに再現もでき、版の目詰まりも気にはならなかった。しかし、この真夏では異なる。弊社は場内にこそエアコンはあるが2年前になんとか設置した6畳用の小さなエアコンなのでピンポイントでしか冷やせない。いくらエアコンをつけても午後は30度を超えるくらいの暑さになってしまう。印刷にとっては嫌な温度だが仕方がない。窓を閉め切ればシンナーのにおい、開ければ冷気が出ていく。夏の間のほんの1か月程度の我慢ではあるが、温度が2-3度違うだけでもまったく異なる環境になってしまう。

ノベルティの布製のバッグ200枚だが、以前は2-3回洗浄するだけで完成したが、今の時期は20枚も印刷すれば目詰まりがおきる。データも細かいのでこれ以上調整はできない、仕方なく印刷をしているが、今度は版が1回の洗浄で崩れてしまう。念のために希釈溶剤で洗浄しているが、それでもだめだった。

SAATIの乳剤は外国製なので細かい取説もなければgoogle検索でいれても日本語では何もでてこない。おそらく日本で使っている人がいるのかいないのかという乳剤化もしれないが、美濃グループから似たような乳剤が出ている。それを参考に露光を何度もかえてみたら、だんだんと崩れが解消されてきた。最後には強い洗浄溶剤でごしごしこすってもなかなか崩れないくらいのしっかりとした版ができあがった。

布に白色なのでどうしても厚盛りの版をつくらなければならない、厚いから乳剤が頑丈かといえばまったく逆でひ弱でもある。いろんな試行錯誤を繰り返した結果、100cmの距離で露光(弊社は水銀灯)、2:30でちょうど良い硬化になっている。3分でもよいかもしれないが、水現像が少々しんどい。

200枚は3時間ほどで終わると思えば、3日間の試行錯誤でなんとか終わった。しかしこれが経験と知識になり、今後の製版もうまくできる、そして作業効率がUpすることは間違いないと思う

clubbe

イタリア製のジアゾ感光乳剤

変わったジアゾ感光乳剤を見つけたので買ってみた。単に気になっただけではなく、厚盛印刷をするために乳剤の膜を厚くするという理由からだ。

実際に使ってみて露光し、現像してほんとうに使えるのか否かすらわからない。説明書はイタリア語と英語、その他の多言語だが、なんとなく理解はできる。どのくらい露光すればよいのかも全くわからないが、とりあえずやってみることにする。

これが上手くいき使えれば布製品への白の印刷が1回で再現できるとは思っている。いつもの悩みではあったが、布製品のインクの吸収で色の再現性が悪かったので2回3回と重ね印刷をしていた。今回急ぎの案件でそれも代替が利かない商品に白の印刷。これはもう失敗ができない、そして納期もわずか数日間しかない。

土曜日1日を集中すれば恐らく仕上がるとは思う。今日乳剤を塗布して夜に製版を行い、結果を見てみることにしようとおもっている。

しかし高い乳剤だ、、、通常の乳剤の2~3倍だが、説明書によれば冷暗所で1年保管ができる(本当か、、、)と書いてあるので、冷蔵庫に入れておけばよいと思っている。

jizazo