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グラデーション 網点 をシルク印刷で再現する

A1サイズのポスター全体にグラデーションの網点を再現する依頼があった。

2つを張り合わせると大きなポスターになるらしい、両方ともに網点のグラデーションが入っている。ここまで大きいそしてグラデーションのポジフィルムは弊社ではできないので、外注した。線数は80くらいにし、メッシュは225を使用

7-8枚のポスターだが、グラデーションは目詰まりを起こしやすいので、あえて紙用のインキを使用せずに、SG740のブラックで印刷をした。紙のインキではないが、SG740を希釈すれば目詰まりが起きずに連続印刷ができる。材質も紙なので2-3日も乾燥させれば問題なく乾燥されている。紙用のインキをつかってグラデーションを連続印刷すればおそらく2枚目くらいから目詰まりを起こしてしまい、版を全部洗浄しなければならないだろう。A1サイズより大きな版を使っているので洗浄にはとんでもない時間がかかる

そういった作業性を考えながら製版やインキの選択を行わなければならない。シルクスクリーンのポスター印刷、小ロットでも可能です、お問い合わせください
amiten

大判のポスターシルク印刷が続く

昨晩は地元デザイナーの方の大判ポスター印刷をシルクスクリーンで行った。大きさや時間がかかるものなので夜遅くに開始して電話等がならない時間帯に集中して行ったのでおおよそ2時間ほどで仕上がった。

あとは別の色を今晩仕上げれば完成となる、時間に換算すれば採算のとれるような内容ではないが、仕上がりを見ると綺麗でシルクスクリーン印刷のできる事が無限大にあると感じさせられるようなプロジェクトでもあった

今日は流れの作業が続くので丸1日仕事となるが、明日は秋晴れだと想定して家族で出かけようと思っている

前面白ベタ印刷

今日の午前中は先日2色を印刷したバスの車内ステッカーに白ベタを印刷する。

文字も何もなくたんに前面に白を印刷すれば良いのだが、これが一番難しいし気を遣う。横1m近い大きさのステッカーに前面白となれば、版のクリアランスからインキの希釈までいろいろとある。

クリアランスが悪ければくっついてしまい昨日までやった2色が台無しになる。インキの希釈がわるければこれまた離れが悪くくっついてしまう。

いろいろとあるが、版のコンディション、スキージの状態、クリアランス、希釈、そしてスキージの押し加減。

写真でも説明できず、口でも説明できないので、文章だけになってしまうが、こればかりはテキストがあるわけでもなく、教えようがない作業となる。シルクスクリーンを始めようという方がもしかするといらっしゃるかもしれないが、教科書もなければ教えてわかるような技術でもない。大事なのは自分でやってみて失敗して、原因を理解し、向上させる、、ことであろうか。

私も何度も失敗はしたし、それを挽回するために夜中までやったこともある。つらい経験が貴重な腕として残るのがシルクスクリーン印刷(パッド印刷も含まれる)であろうか

お問い合わせに対しては全力で

ここ数年の間ではあるが、私のブログを見つけてメールや電話で問い合わせる方が増えている。こんな小さな印刷工場のブログを見つけて問い合わせが来たら私としてもうれしい。世の中何万、いや何億かもしれないブログの中でご縁があるのだから、たまたまという遭遇は非常にうれしい限りである。

その中で印刷案件に成立する物は意外と少ない。それが悪いとも思わないし、残念だとも思っていない。やはりできるものはできるし、できないものはできない、と判断せざるを得ないからである。例えば以下のような印刷案件に関してはシルクスクリーン印刷やパッド印刷では難しい

1.フルカラー(4色)の印刷(理由:製版代が割高となる為)
2.ロット数が多い物※1万個以上の物(理由:小さな工場でたった二人でやっている印刷屋なので、納期がもらえなければ難しい為。もちろん納期をいただければ可能です)
3.インクジェットでできる物(理由:単純に人件費とポジフィルム・製版代を比較すれば割高です、しかしながら、インクジェットでは出せない色や素材であれば必然的にシルクスクリーンやパッド印刷でやることになります)

逆に、以下のような案件はシルクスクリーン印刷やパッド印刷の方が断然割安ででき、得意分野となります

1.小ロット、単色又は2-3色の被印刷物
2.調色が難しい物(例:金銀、蛍光等)
3.予算が不明な印刷物 ※予算がこれしかないけどなんとかならないか?という方用です (笑)
4.その他他社では全て断られた案件(ダメもとで気軽に弊社にメール又はお電話頂きたい)

なかなか文章では説明が難しいので、今後も可能な限り印刷サンプルをアップしようと思います

新年度の始まり

昨晩は21時過ぎまで駅前のバスターミナルの看板や貼り替え作業を行っていた。普通であれば弊社の仕事ではない感じではあったが、できないこともない、という事で一人コツコツやってみた。

まずはシールで古い看板を張り替える作業ではあったが、比較的気泡が入らずにうまく貼る事ができたと思う。気泡がはいった部分はスキージを使い気泡を外に逃がしておいた。次にカッテングシート貼りであるが、これも意外と慣れてしまえば簡単であっという間に終わってしまったが、全ての看板のねじを取り付けたあとに1つのシートを剥がすのを忘れていたのに気づき、再度看板の取り外しを行う事になった。30分くらい時間のロスが生じたが、それでも21時までには終了した。

もうすぐ4月だというのに昨晩は冬のような寒さがあり、作業中も寒かったが今日は晴れていたので一安心ではある。少し風邪気味になってしまったが、なんとか今週中に治さなければ週末の買い出しで東京に行く際に支障がでてしまう。

新年度が始まり、今週も町は大賑わいになるであろう。私もこの印刷ブログを初めてもうすぐ1年が経過するが、毎月閲覧されているユーザーさんの数が増えていてなんとなくうれしい。こんな片田舎の小さなシルクスクリーン印刷工場のブログが少しでも皆様のお役にたてればと思い、また日々いろんな情報を更新しようと思う。

シルクスクリーンの乳剤

寒い中今朝は製版を2つほど行った。自社製版ができる設備がある弊社としてはすぐに版を作ることができるので、短納期に対応できるありがたい事ではあるが、かなり寒い。指先もまた感覚を失ってしまったが、ストーブに1分ほどあてたら回復した。これぞ3Kという仕事なのであろうが、きついと言えばきついが、汚いにはインクを扱うので汚い。危険と言えば溶剤を使うので危険ではあるが、私の場合は電動のこぎりなどを使用する場面が多いので、工作機械の扱いで危険のKが入るかもしれない。

製版をしながら思った事ではあるが、このプロセスを理解している方はなかなかいないのではなかろうか、という事である。デジタル化に伴い、パソコンとプリンターがあればボタン1つで印刷ができてしまう。形ある物への印刷はそう簡単にはいかないが、それでも最近は大型の投資をすれば形ある物への印刷もボタン一つでできる機械が出始めている。一長一短ではあるが、お金がある会社であればそのような機械に設備投資をすればよいのかもしれないが、わが社のように小さなシルクスクリーン印刷をやっているようなところや、パッド印刷をしている会社にとって何千万円もの投資をしてまで機械を入れようという気にはならない。それよりは創意工夫により印刷方法を編み出し、やり方を考えれば世の中ほとんどの物には印刷ができるのが事実である。

乳剤の塗布も自動化されているであろうが、弊社では手で塗布、自然乾燥させている。それだけで余計な経費も発生しない分、価格にも反映できるし、エコでもある。ボタン一つで印刷になれている印刷工員の方にとってはなかなかなじめない場面でもあろうが、幸いにも私は最初から最後まで1つ1つ手作業で行うので、いざ自動化だのデジタル化で機械が入ることになっても、過程を理解しているので呑みこみも早いと思っている。

自動化にデジタル化の印刷業界ではあるが、今一番活躍しているのが手刷りに知恵であるのは間違いない。知恵があればできない事もできるようになるし、その考えるプロセスが人間の頭を刺激することになる。社名がカンダプロセスではあるが、先代がつけた名前でプロセスというのはもしかするとこのことを言いたかったのかもしれない

1日に複数の案件を印刷

先日はいろいろな印刷があった。どれも小ロットで比較的容易にセット、開始ができたので、午後に2つの別々の案件を終わらせた。

1つはドリンクボトルを入れるナイロン製の入れ物に会社のロゴを入れる案件で200個。物自体が平らではないので、平らになるようにプラスチックの板を入れて、シルクスクリーン印刷で印刷をした。200個あったが、順調にすすみ2時間かからずにすべてが終わった。bottle-bag

もう1つは以前より見積もり、試験印刷依頼のあったステンレス製のボールペンへパッド印刷を使っての名入れであった。こちらは40個という小ロットだが、製版や治具は試験印刷の際にすでに作成してあったので、あとは印刷するだけという流れだったので、1時間もかからずに終わってしまった。通常ステンレスに印刷は焼き付けを行わなければならないが、取引先に試験印刷したものが3-4日経過しても剥がれないと確認できたので、自然乾燥で3日間おいてから発送差し上げようと思う。焼き付けを行えば確実ではあるがボールペンのインキの方が気になり、あまり焼き付けをしようとは思わない。

natalie
今日はベニヤ板に印刷があるものの製版を行う予定である。全部で10版くらいあるので、うまく配置を行い、製版をすれば使う枠は2-3枠で収まると思う。

まだまだ猛暑が続いている日々ではあるがどんどん日が短くなっているので秋を感じる。秋が終われば冬が来る、寒い時の製版は凍る思いをするが、四季があるのは素晴らしいことだと思う

色の認識の違い

先日は以前出したクリヤファイルの見積もりが決まったと取引先の1社がデータと見本を持参してきた。

黒1色ということで、こちらでも相手が印刷関連の仕事をしている方なので実際のデータを見ないで見積もりを出したのだが、これが黒1色ではできないデザインであった。カラー分解をして、白、グレー、黒をうまくのせることにより再現できるような絵柄だったので、同じ見積もりではできない。網点を活用し何とか1色で再現するにも見本と現実が異なるので、あまりお勧めはできない絵柄ではある。

たまにこういった色の認識の違いが出てくることがあるが、なかなか説明が難しいこともあるし、こちらとしても憶測で見積もりを出してしまった事に問題を感じてしまう。カラーコピーやインクジェットでの1色という想像をシルクスクリーン印刷の1色にあてはめると、どうしてもズレが生じてしまう。すべてがマニュアルのアナログ技術ではあるので、なかなか簡単に機械が行うカラー印刷を再現できないが、無理ではない。

カラー分解をしたデータを見せて3色であればできる、という事を本日伝えなければいけないが、どこまで予算がでるのかが焦点になるであろう。

難しい印刷の1つにはなるが、カラー分解で印刷したあとにできるものはいつも面白い物になっているのである意味楽しみだ

サンプル印刷の重要さを知った

先日は櫛に試験印刷を黒1色で試してみた。櫛といっても端っこの部分ではなく、髪の毛そのものをとかす部分のギザギザの所に美容室の名前を入れてみたい、という依頼であった。

こんな印刷等私もやったことがない、商品の端っこや名入れするような普通の場所であればなんら躊躇しないのだが、櫛のギザギザの部分、それも名入れをしてもよく見えるかどうかわからないような場所であった。

依頼主も面白い方なのであろうか、通常の発想と異なる名入れの位置に依頼を出してきたのでこちらとしてもいったいどうなるのか?と気になってその場ですぐに既存の版を使い、実験をしてみた。してみた、というよりはしてみたくなり、どうにもやらずにはいられなくサンプル印刷の依頼もなかったが自ら動いてしまった。

ギザギザの隙間の部分にはさすがにインキはのらなかったが、その他の部分は丸い部分も奥深くまでインキが入り、角度を変えれば比較的読める、見える社名が名入れできた。インキも素材がよくわからなかったので、オールマイティなセイコーアドバンス社のSG740インキをひとまず硬化剤なしでつけてみたが、問題なく煮沸にも、爪の擦りにも耐えることができていた。美容室の櫛なので、煮沸や洗浄が多いと思う。実際の依頼があった時には硬化剤を入れて印刷すれば大丈夫であろう。

通常であれば試験印刷等、手間暇がかかる上に面倒な場合があるので、印刷屋では行っていないのではないであろうか? しかしながら紙媒体では無い被印刷体に印刷依頼がくる弊社では、新しい素材に関しては必ず試験印刷を行っている。既存の版でよければそちらを使用するし、実際のデザインを入れてみてみたい、ということであれば製版をしてまでも試験印刷を行う。実際の仕上がりを見てもらった場合とそうでない場合の訴求力の違いは計り知れないほどであるし、こちらとしても想像と違った、という後々の印刷のトラブルを回避することができるので、ある意味一石二鳥だと思ってやっている。しかもスピードも大事で試験印刷に1週間も待てない場合が多いので、できる限りその場で行うか、翌日には仕上がるように心がけている。物によっては2-3日必要な場合があるが、殆どの物は即日か翌日までには試験印刷を終えることができる。試験さえできてしまえばあとはお客さんの方で決断をしてもらうだけなので、こちらとしても用意はすべて完了、あとは本番を待つのみという場合が多い。

ほんの数年前までは平面のシルクスクリーン印刷のみで業務を行っていたが、私が後を継ぐようになってからは局面に凹凸物に、世の中にある物体何でも印刷できるようにと事業を展開させている。正直まだまだ軌道に乗ったとは言えないが、いろんな案件がくる事がおもしろくて仕方がない。なかなか他社ではできない被印刷体がもちこまれ、それに対して印刷を施すという無理難題もあれば、通常のリピートの仕事もある。

毎日が飽きないくらいいろいろな変化に仕事があるので、楽しくて仕方がない。天職なのかはわからないが、私にとって楽しく仕事ができ(印刷がなかなか上手くいかない場合はある意味ストレスもたまるが、、)、それが商売となり収入となれば有り難いことではある。

今日は朝の高速バスで東京に向かい、ビックサイトで開催されているギフトショーを1時間ほど視察、取引先の某社がブースを出しているので挨拶をして、夕方には別事業の貿易の方でシンガポールのバイヤーが東京に到着、そのまま二人で食事をしながら商談を行い、夜になれば里帰り中の妻子の待つ神奈川へ向かうことになる。

土曜日の町中

土曜日は午前中に仕事を終わらせ、午後はかなり暑かったので近くの図書館に普段定期購読している雑誌を持参し、涼しみながら読んでいた。家にいれば35度くらいの猛暑だったが、エアコンがきいている図書館はさすがに涼しい、30分もいるだけで気持ち良くなり眠りそうになってしまった。

その晩は幼馴染と町にのみにでかけた。彼は地元長岡市の西神田で焼き鳥屋”悠ゆう”を経営している2代目である。彼なりに悩みがあるのであろう、いろいろと話がはずんだ。彼の店ででるモツ煮がこれまた最高で、私はいままでいろいろなところでモツ煮を食べたが、ここまで濃厚な味はまだほかで出会ったことがない。水を一切いれないということで、どうやって作っているのかが不思議ではあるが、濃厚なモツ煮が好きな方には絶品であろう。

彼なりにこの先どう店を経営していくべきかでいろいろと悩んでいたので、私なりのアイディアをいろいろと話しておいた。人と同じことをやっていても新たなお客は来ないし、かといって既存客をないがしろにするわけにもいかない。その新しいことで何をやるか?で勝負をかけるべきタイミングではあろうし、私も同じことが言えると思った。父親のシルクスクリーン印刷が30年前に開業、そのころから同じことを続けているようで売り上げはどんどん落ちて行ったらしいが、実際には仕事量が減ったというよりは単価が落ちて行ったということで売り上げ減にはなっている模様だ。デジタル化されていない一昔前であれば製版でも多額な金額をとれたのであろう、今はだれでもやろうと思えば製版もできるし、ポジフィルムも自宅で出力できてしまう。

あとはいかに違うことをやるか、他社が見ても面倒でマネをしないような仕事を開拓するかにかかっているように思える。幸いにも私はしんどいことや面倒なことがあってもなんとかやらなければ、ということで仕事をこなすように心がけているので、人が嫌がる仕事や物事をやることに関してはあまり抵抗がない。

昨年導入したパッド印刷にもうすぐ導入され開始する局面印刷、プラス既存のシルクスクリーン印刷を武器に地元新潟県長岡市で唯一柔軟性のある印刷屋を目指そうと決めたのもそう遠くはない過去である