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米袋にカラー分解でシルク印刷

世の中不思議と同じような案件が続くことが多い。先週はクリヤファイルに印刷する依頼・見積もりが続いたが、今週はカラー分解のシルク印刷案件が数件入った。1つは2色なのでそれほど難しくはなく、枚数も100枚なのですんなりとやってのけることができる。

もう1つの依頼は米袋5000枚にカラー分解した4色の写真を刷り込んでほしい、という依頼であった。500枚であればシルク印刷でも500x4で2000回なのでそれ程でもないが、5000枚ともなれば合計2万回の印刷となる。納期があればそれなりに時間をかけて刷り上げることは可能であるが、カラー分解の場合は高メッシュの網点印刷を行う必要がある。高メッシュだとどうしても目詰まりが起きてしまい、作業効率が悪い。こういう時にはUVインキを使える設備があれば目詰まりが無く作業ができるのだが、そこまでお金をかける案件がなかなか無いので弊社ではまだUV乾燥機という設備を導入してはいない。しかしながら、カラー分解や高メッシュの印刷依頼が徐々に増えているので、UV印刷ができるように準備を整えようと思ってはいる。UV乾燥機も市販の物を買えば高いので自作で作成しようといろいろと調べた。UVの性質を理解し、的確な投射を行えばUVインキを硬化させることも見つけた。

設備さえあれば明日にでも開始できるであろうUVのシルク印刷だが、どうしても割高になるので絶対にUVインキでなければだめだという案件以外には使えないだろうと思う。安く仕上げる事が世の中で主体になっているような感じなので、UVインキの特性やシルク印刷の特性を理解してもらうまでに時間がかかってしまう。最適なインキで最高の仕上げを求めるお客さんもいれば、予算重視でとりあえず印刷できていればそれでよい、という方もおり、市場の変化には驚きを隠せない。しかしながら1-2日だけ使用して捨ててしまうような被印刷体にガッチリとインキを密着させて印刷するようなやり方よりは、ニーズと予算にあった印刷方法を提案するのも仕事の1つだと思う。

今週はどうもバタバタが収まらないような感じで週末まで仕事が入りそうだが、時間が許せば土日のどちらかに妻子に会いに長距離のドライブにでも行こうかと思ってはいる。

1日に複数の案件を印刷

先日はいろいろな印刷があった。どれも小ロットで比較的容易にセット、開始ができたので、午後に2つの別々の案件を終わらせた。

1つはドリンクボトルを入れるナイロン製の入れ物に会社のロゴを入れる案件で200個。物自体が平らではないので、平らになるようにプラスチックの板を入れて、シルクスクリーン印刷で印刷をした。200個あったが、順調にすすみ2時間かからずにすべてが終わった。bottle-bag

もう1つは以前より見積もり、試験印刷依頼のあったステンレス製のボールペンへパッド印刷を使っての名入れであった。こちらは40個という小ロットだが、製版や治具は試験印刷の際にすでに作成してあったので、あとは印刷するだけという流れだったので、1時間もかからずに終わってしまった。通常ステンレスに印刷は焼き付けを行わなければならないが、取引先に試験印刷したものが3-4日経過しても剥がれないと確認できたので、自然乾燥で3日間おいてから発送差し上げようと思う。焼き付けを行えば確実ではあるがボールペンのインキの方が気になり、あまり焼き付けをしようとは思わない。

natalie
今日はベニヤ板に印刷があるものの製版を行う予定である。全部で10版くらいあるので、うまく配置を行い、製版をすれば使う枠は2-3枠で収まると思う。

まだまだ猛暑が続いている日々ではあるがどんどん日が短くなっているので秋を感じる。秋が終われば冬が来る、寒い時の製版は凍る思いをするが、四季があるのは素晴らしいことだと思う

紙媒体以外の物への印刷

先日は先週櫛に印刷する依頼のあった方からの連絡があった。櫛という物の性質上、髪の毛にインキが付着しないか否かを心配しているらしい。私も絶対大丈夫とは言い切れないので、問題はないであろう、という回答で終わったが、最終顧客さんがどう判断するかはわからないので、最後はおまかせにしておいた。

印刷といえばみなさん殆どの方が紙に印刷、と想像することが多い。それも地の色が白、その上にいろんな色をのせるカラー印刷的な事が殆どだと思う。しかしながらシルクスクリーン印刷やパッド印刷で行う印刷は素材が白で無い場合は多く、それも平面であったり局面であったりと、形が様々になるので、なかなか想像、説明が難しい場合がある。そんな時にわが社で行うのがサンプル印刷で、それも特にお代は頂戴してはいない。既存の版でダメで実際のデザインを印刷してほしい、となればせめて版代だけでもという感じではあるが、版代も破格で出してサンプル印刷を行っている。そちらが気に入っていただければその版を使えるので考えようによっては一石二鳥になるかもしれない。

先週も海外のお客さんで別事業の方と話している最中に、アナログの手刷りをしていると伝えたら半分笑っているような感じで話されていた。彼は典型的なデジタル人間ともいえよう、最新のIT機器やネット媒体を使って商売しているので、アナログ技術がどこでどのように役に立っているかがあまり理解できない感じであった。すべてデジタル化、オートメーション化、機械化されていると思い込んでいるのであろうが、現実はそうではない、というところを理解していないともいえる。いくら世の中が便利になったからといってすべてが機械でできるわけでもなく、最後は人間の手で仕上げることが殆どだが、デジタル化の人間にはそれがなかなか理解できないのかもしれない。もっと詳しく説明して差し上げたいと思ったが、アナログをデジタル化の残骸のようにとらえている人だったので、これ以上説明しても無駄だと思い、その場は終わりにしておいた。逆をつけば彼のような人間が増えれば増えるほど、アナログ化の技術をもっている会社が繁栄するのかもしれない、と思ったりもする。

勝手な代表例を出してしまうと、インクジェット出力がデジタル化の良い例だと思う。機械の導入と操作方法さえ覚えてしまえば、あとは比較的誰でも印刷できてしまうのがインクジェットである。が、機械任せの仕事になるので、どこも価格競争になり、利益を稼ぐ機械とは到底言えないであろう、というのがインクジェットの現実ではある。その点わが社にある機械はすべてが手動、ボタンを押せばだれでもできるわけでもなく、どこでももっている機械ではないので、比較的価格競争にさらされる事が少ない。価格競争よりはお客さんの予算にあわせて印刷価格を決めているようなものであるので、物によっては奉仕価格になったり適正価格になったりと、これまた不思議な商売であると思ったりもする。

今日から雨が続く予報だが、少し涼しくなってくれるとありがたい。

サンプル印刷の重要さを知った

先日は櫛に試験印刷を黒1色で試してみた。櫛といっても端っこの部分ではなく、髪の毛そのものをとかす部分のギザギザの所に美容室の名前を入れてみたい、という依頼であった。

こんな印刷等私もやったことがない、商品の端っこや名入れするような普通の場所であればなんら躊躇しないのだが、櫛のギザギザの部分、それも名入れをしてもよく見えるかどうかわからないような場所であった。

依頼主も面白い方なのであろうか、通常の発想と異なる名入れの位置に依頼を出してきたのでこちらとしてもいったいどうなるのか?と気になってその場ですぐに既存の版を使い、実験をしてみた。してみた、というよりはしてみたくなり、どうにもやらずにはいられなくサンプル印刷の依頼もなかったが自ら動いてしまった。

ギザギザの隙間の部分にはさすがにインキはのらなかったが、その他の部分は丸い部分も奥深くまでインキが入り、角度を変えれば比較的読める、見える社名が名入れできた。インキも素材がよくわからなかったので、オールマイティなセイコーアドバンス社のSG740インキをひとまず硬化剤なしでつけてみたが、問題なく煮沸にも、爪の擦りにも耐えることができていた。美容室の櫛なので、煮沸や洗浄が多いと思う。実際の依頼があった時には硬化剤を入れて印刷すれば大丈夫であろう。

通常であれば試験印刷等、手間暇がかかる上に面倒な場合があるので、印刷屋では行っていないのではないであろうか? しかしながら紙媒体では無い被印刷体に印刷依頼がくる弊社では、新しい素材に関しては必ず試験印刷を行っている。既存の版でよければそちらを使用するし、実際のデザインを入れてみてみたい、ということであれば製版をしてまでも試験印刷を行う。実際の仕上がりを見てもらった場合とそうでない場合の訴求力の違いは計り知れないほどであるし、こちらとしても想像と違った、という後々の印刷のトラブルを回避することができるので、ある意味一石二鳥だと思ってやっている。しかもスピードも大事で試験印刷に1週間も待てない場合が多いので、できる限りその場で行うか、翌日には仕上がるように心がけている。物によっては2-3日必要な場合があるが、殆どの物は即日か翌日までには試験印刷を終えることができる。試験さえできてしまえばあとはお客さんの方で決断をしてもらうだけなので、こちらとしても用意はすべて完了、あとは本番を待つのみという場合が多い。

ほんの数年前までは平面のシルクスクリーン印刷のみで業務を行っていたが、私が後を継ぐようになってからは局面に凹凸物に、世の中にある物体何でも印刷できるようにと事業を展開させている。正直まだまだ軌道に乗ったとは言えないが、いろんな案件がくる事がおもしろくて仕方がない。なかなか他社ではできない被印刷体がもちこまれ、それに対して印刷を施すという無理難題もあれば、通常のリピートの仕事もある。

毎日が飽きないくらいいろいろな変化に仕事があるので、楽しくて仕方がない。天職なのかはわからないが、私にとって楽しく仕事ができ(印刷がなかなか上手くいかない場合はある意味ストレスもたまるが、、)、それが商売となり収入となれば有り難いことではある。

今日は朝の高速バスで東京に向かい、ビックサイトで開催されているギフトショーを1時間ほど視察、取引先の某社がブースを出しているので挨拶をして、夕方には別事業の貿易の方でシンガポールのバイヤーが東京に到着、そのまま二人で食事をしながら商談を行い、夜になれば里帰り中の妻子の待つ神奈川へ向かうことになる。

今日は健康診断に仕事

今日は年に一度の健康診断に行くことになる。毎年何も問題は出ないが、一応自分の体の変化を理解するために、受けるようにしている。身長、体重に尿検査、血液検査、全て基本的な内容にはなり、気休めかもしれないが私は受けるようにしている。

2年前にドイツから帰国したときは当時の生活に仕事の不規則からものすごい体重になっていた記憶がある。当時はパソコンパーツのヨーロッパ支社の代表兼レストラン経営が始まり、通常の仕事のあとに軽く夕食をとって、そのままレストランに向かい手伝いをしていた。その後にまかないを食べて、帰路についてすぐ寝たという繰り返しであったので、食生活にリズムが滅茶苦茶になっていた事を改めて気づかされた。

日本に帰国してからはこの乱暴な食生活の結果であろうか、アトピーが悪化してとんでもないことになった。食事内容を激変させることにより、今ではすっかりアトピーもなくなり、ほぼ完治したといっても良いであろう。薬を沢山塗ったわけでもなく、たんに外来種や自然界に無い食品を食べないようにしているだけで驚くほどな回復をみせた。様々な本や医者、アトピーの治療法に原因を調べたが、行き着いたところは食事だった。お医者さんは遺伝だの皮膚がもともと弱いだのと説明し、ステロイドを毎回出してくれてはいたが、根本的な原因の改善は全く説明がなかった。自分としても納得がいかずに調べて調べて研究を重ねた。途中ある記事を見つけアトピーが昔は無かったという事に注目し、実は現代病だということもつきとめた。そうもなれば話は早い、現代にあふれている調味料、ファーストフードにラーメン、外国製品のわけのわからない食品等、自然界には存在しない食品や動物性の食品を試しにすべて取り払ってみた。そうもすれば2-3か月もしないうちに医者に行く必要もなく、ステロイドもいらない、挙句の果てには肌も全く普通にもどってしまったでは無いか。世の中にはたくさんの子供たちがアトピーで悩んでいると知り合いの夫婦からも聞くので、私はすぐに自分が実践したことを話して勧めるが、どうも一歩が踏み出せないようだ。スーパーの惣菜に揚げ物、冷凍食品、どうしても楽な方へ向かう人間なので、なかなか自然食という調理に変わらない。アトピーの辛さを思えば冷凍食品だの揚げ物だの、特になくても気にはならない生活になるのだが、慣れというものは恐ろしい。

昨日はクロームメッキのボールペンにパッド印刷でサンプルを送付したお客さんより連絡があり、結果を気に入ってもらえたようであった。違う色で再度サンプル印刷をしてほしいとの事なので、喜んで引き受けた。仕事というものは納得がいくまでとことんやった方が良いであろうし、希望されている色や印刷を再現するのが私の仕事だと思っている。今日送付してもらえれば明日日曜日に試験印刷ができ、すぐに送り返せば月曜に確認ができる。時間の融通が利く弊社にとってはこういった対応がいくらでもできるので、相手の仕事のスピードにも貢献できる。私は仕事が好きでやっていても飽きない、疲れない、面白いので土日であろうが仕事があればやることにしている。それが結果的にお客さんのメリットになるようであれば尚うれしいことではある。

今日の健康診断の後には来週納期のターポリン幕の印刷があるので、そちらに取りかかることになるであろう