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乳剤の色

版を作った事が無い方は乳剤(感光液とも言う)の色はあらかじめついているものだと思っているかもしれないが、新品で届きジアゾで混合する前の色は真っ白な液体になっている。

この真っ白な液体のなかにジアゾを約38度くらいのお湯でとき、そして混合する。その際に色をつけるために着色液を入れて、青っぽい色に仕上げる。色がないと製版をした後にも何がなんだかわからない場合があるので、色をつけることになっている。

アパレルの乳剤は少し異なる色だが、基本色をつけてあげないと印刷面が見えなかったり作業性として悪い。

1ヶ月に1本ほどの消費だが、多いときはもっとある、逆に少ないときは少ない。多ければ多いほど製版をしている、つまり仕事が潤沢に進んでいるという証拠でもあるかもしれない。近年は小ロットの小さな印刷が多いので乳剤の消費量もそれほど多くはなくなっている

nyuzai

紫外線(UV)と印刷

UV印刷、という印刷方法があるように、印刷には紫外線(UV)がかかせない場合が多い。

UV印刷の場合はUV硬化型のインクを使って印刷をし、そのインキを紫外線(UV)を投射することにより固める、という印刷方法だ。

シルクスクリーン印刷やパッド印刷では製版をする時にUV(紫外線)を投射する。シルクスクリーンの場合は版に塗る乳剤(感光液とも言う場合がある)を紫外線の光によって硬化させ、真っ黒なポジフィルムを当てた部分だけは紫外線が投射されない。よって乳剤が硬化しないので、水現像するとフィルムの部分だけ現像され、そこにインキを流し込むことにより印刷ができる。

弊社には古くからの機械で縦横1x2m程の大きな製版機がある。これほどの大きさを製版するのは1年に1回くらいではあるが、それでもまだ大型のシルクスクリーン印刷の需要はある。できる機械をもっているところが少ないのであろうか、時たま弊社に依頼がやってくる場合がある

パッド印刷の場合は樹脂版があり、そこにポジフィルムをあて、紫外線を投射する。上記と同じ現象で製版ができるが、ちょっと性質が異なる。詳しくは文章では書きにくいので明記はしないが、いずれも紫外線との付き合いが大変重要な仕事にはなる。

紫色の光なので子供にとっては面白いのであろうが、紫外線を多く浴びたり見ると身体に悪いのでなかなか説明がし難い。(悪いけど仕事に使うんだよ、、、とまぁなんといえば良いのであろうか。)

light

乳剤(感光液)を綺麗に塗る

シルクスクリーン印刷に必ず必要なのが乳剤(感光液)である。これは紫外線により硬化する液体であり、それらをシルクスクリーンの紗張り(ナイロン、テトロンと呼ばれる)に両側より塗布して、ポジフィルムをあて、紫外線をあてる。

細かい作業は文章では説明が難しいのでここでは控えておくが、乳剤を綺麗に塗るコツがある。これらは教科書にも載っているわけでは無いので自力で見つけるしかない。

最高に綺麗に塗るには新品の紗張りの版、100%平らで綺麗なバケット、そして均一な力での塗布、であろう。

しかしそれは非現実的な方法であり、版は再利用される場合があり、油膜も残ったりしている。なるべく綺麗に版を洗浄し、乾燥、そして裏側に2-3回、そのまま表側より2-3回塗布する。そうすると細かいメッシュより出てきた乳剤を裏側へ再度押し出すような感じになり、ちょうど良い膜が裏面にできあがる。そうすることによりインキ膜が厚くなり、インキの出具合もよく綺麗に印刷ができる。

言葉では説明が難しいのだが露光機で紫外線をあて硬化させると触った感触で版の出来具合がわかるようになる。

beautiful-nyuzai版が綺麗にできたときほど気持ちが良い瞬間は無い。