写真は白の違いを示している。上はシルク印刷のコンクホワイト、顔料が多い白のインキだ。下は機械で出すインキジェットの白、これはもう白と呼べないくらいの白、、、ではあるが機械ではこれが精いっぱいらしい。
世の中機械化が進んでいるので何でも機械でやろうとするが、アナログの職人的な仕事は永遠に無くならないと思う。何度も言ってしまうが機械は所詮補助的な存在であり、最終的には人間がやらなければならない。
白に満足できていない方、シルク印刷では力強い白の再現が可能です
缶ビールでもジュースでも手で持つとだんだんと暖かくなってくる。それが冷えたままに保てるような缶クーラーというのがあるらしい。
素材は恐らくポリウレタン風のウェットスーツの素材を使っているかのような物。こちらに急ぎで名入れ印刷だったが、これらの素材はインキが異なる。どちらかと言えばアパレル印刷で使われている発泡インキを使いメッシュが80-100位のシルク印刷でやったほうが綺麗に仕上がる。
綺麗というよりは通常の油性インキだと素材にインキがしみ込んで色の濃さが出せない。今回は濃い色の素材に白だったのでなおさらのことだ。
しかし弊社には発泡インキとそのインキを乾燥させるヒートガンが無いので重ねずりで対応することになった。セイコーアドバンス社のSG410というインキは粘り気が強いインキで適している、が、100%とは言えない。急ぎの案件なので最適だと思うSG410インキで2回3回の重ね印刷でそこそこの白を再現することができた
缶クーラーはそれ専門の業者がいるのでそちらに頼んだ方が無難だとは思っているが、色の再現にそこまでこだわりがなければ油性インキでも十分に印刷ができ密着も確認できている
最近は殆ど無くなった機械装置の面板へのシルク印刷、そのほとんどが海外にいってしまったのであろう、又は国内で試作する場合はシール対応したりそれなりの安いコストで対応しているものと思われる。
数量が30-50台であれば印刷はしてくれないだろうと思われているのかもしれない。それだけシルクスクリーン業界はいまだに小ロットを嫌がる傾向にある。昔からの商習慣なのであろうか採算の問題なのかもしれないが、時代の変化に合わせてやり方を変えていかなければ生き残りはできないと思っている
弊社は小ロットでも印刷をする、それよりは大ロットの案件は人数の関係で受ける事が難しい。受けれたとしても長い納期を貰わなければ印刷することは難しいであろう。連続して続く案件はメーカーが内製化すれば対応できることなので、最初からそのようにお伝えする場合が多い。
POM素材、ポリアセタール素材にインキを密着させる実験で土曜は朝から晩まで1日を費やした。
通常POM素材は下処理をしなければインキが密着しない、しかし某社の某インキの場合はセロテープ剥離でもなかなか取れない、しかし爪引っ掻きだととれてしまう。そこで表面素材を粗く下処理をしていろいろなインキで試すことになった。
文字そのものはかなり小さいので位置合わせに製版もルーペを使ってなんとか行い、そこそこ綺麗に印刷できるようになったが、それでもまだテスト段階なので、もし本番になるとしたらもう少し時間をかけて治具とデータを作成しなければならない
サンプルも各インキで100個だったのでなかなか早くは終わらなかったが、一度製版をやりなおして午後にはなんとか一通りのサンプルが出来上がった。一度使えばいらない素材らしいので完璧な密着までは希望していないそうだが、現状維持を希望されている。

今日の昼頃に外の現場に出向いてシルク印刷を行う事になる。ガラスのドアの部分にゴールド1色で金融関係の表札の印刷となる
私的にはシールで良いとは思うのだが、どうも印刷でなければならないらしい。。。 版は作成済み、インキや道具は持参、現場で調合すればOK. あとはおさえるための助手が1名いればそれでできる感じだ。時間も恐らく30分もかからないですべてを終わらせることができるであろうと思ってはいる
出張して印刷を現場で行う、弊社では先代の時から行っている事なのでいくらでも対応できます