印刷ブログ
BLOG

...1415161718

取っ手付きのマグカップは難しい

取っ手がついているマグカップへのシルク印刷は難しい。回転させて印刷するので通常の回転シルク印刷となんら変わりがないのだが、1つ邪魔になる部分がある

それが取っ手だ。取っ手があることにより版にあたりうまく回転ができない。プラス取っ手の位置によっては回転治具にあたってしまい回転を邪魔する。取っ手の位置が上部より離れていれば比較的回転がさせやすいが、たまにぎりぎりのところに取っ手がある商品がある

回転させたとしても途中で治具の下にあたり回転がとまるので、回転できるよう治具の底にスペースをつくらなければならない。回転治具も普通の車輪では取っ手にあたってしまうので、一番小さな回転歯車をホームセンターで見つけて設置させる。治具も歯車が回転できるように彫刻刀で削ったり電のこぎりで切ったりといろいろな作業を行う

すべてをクリアーした段階でテストを行い、うまく回転するようになったところで量産を始める。今回のマグはPP製で円柱形というよりは多少円錐形になっていたので、昨日はそのセットアップで3時間以上もかかってしまった。しかし一度決まればあとは早い、と思ったが、、、PPインクなので目詰まりが出る。とりあえず10個連続で印刷してみたが、10個ちょっとで小さな文字の目詰まりが出るので、何度も洗浄をしなければならない。台風が去ったあとなので比較的涼しいのでもう少し連続でできると思うが、手間暇をかけて印刷することになる。

セットアップや目詰まりなどは見積もりの段階ではなかなかわらからないので、どうにもならないが、こうやって四苦八苦して印刷ができるようになるとなんとなく安心する。

取っ手付きのマグカップへのシルク印刷、お問い合わせください
image1

どうすればもっと綺麗に印刷できるか?

一度で完璧な印刷などできないと思っている。素材も様々であり、いろいろなデザイン、そして色に大きさ。

成型物に印刷をするには常にどうやればもっと上手くなるか?を考えなければならない。一度でいきなりプロのように印刷ができることもなく、高価な製版の機械に道具と半自動印刷機をそろえたからといって綺麗に印刷ができるとは限らない。逆に手作りの受け時具や印刷機を使って手刷りを行ったほうが綺麗になる場合もある。

弊社では1つだけ流れの印刷がある。PP製のケースに小さな3-4ptくらいの文字列を印刷しなければならない、PPインクなので詰まりもあるので作業性は悪いが、いろいろな試行錯誤に溶剤をつかうことにより、連続印刷できる回数が増えてきた。

今までの製版も工業製版で行ってもらい綺麗になった。そしてインクの希釈にスキージの圧力などすべてをだんだんとマスターしてくるようになり、今ではかなり小さな文字列でも綺麗に再現できるようになってきた。虫眼鏡で見えるくらいの小ささではあるが、よほどの細かい文字列で無い限りほとんど綺麗に出ている。こういった結果を見ることになると印刷をしていて嬉しくなる。

検品で1つ1つ確認はしないが、自分なりに綺麗に仕上げたいと思いながら行っているので徐々に品質が上がっていることは把握している。初回サンプルでOKとでた品と比較すれば明らかに綺麗になっている。

綺麗な印刷がしあがると気持ちが良い、印刷をしていて良かったと思う瞬間でもある
CASE

夜中1:00に終わった ギザギザのPPファイル

スムーズに終わるかと思った表面にザラツキのあるPPファイル、取っ手と表面の下側の2箇所にシルバーで印刷だった。PPインクの透明が無かったので注文、業者も忘れていたのか希望の日にインクが来ない。週末は子供と約束をしていたので金曜中に終わらせる予定だったが、月曜になってしまった

素材への密着は確認済み、そして似たような形状のファイルには印刷をしたことがあるのですんなり終わると思いきや、24時を回ってしまった。

取っ手の部分は1つだけ平らでないロットがあり苦労したが、なんとか見れるところまで印刷ができた。問題は本体の部分で小さな凹みでできているギザギザの線が無数にある。初めはパッド印刷でなんとかなるとは思ったが、PPインクとの相性が非常に悪く、そしてベタ面が多い。一応版を作っていろいろやってみたがやはりベタ面が綺麗に出ないので再現にかけている。

仕方なくシルク印刷に切り替えたが作ってあった270メッシュの版では凹みの部分にインクが入らずにかすれが目立ってしまう。150/200メッシュで再度版を作成していろいろと試しているうちに24時になり、最終的には150メッシュの版でインクを乗せずに適度な印刷圧で刷るとかなり綺麗に再現できることを発見した。

それでも1回で完璧に綺麗には出ない、凹みの部分に均一にインクが入り綺麗になるまでには何度もやった。幸いにも素材がPPなのでやり直しができたので、何度も納得がいくまでやり直した。1回で綺麗にできる固体もあれば3回4回かかったものもあったが、不幸中の幸いではないが合計5個の小ロットなのでなんとかなった。 印刷の圧力、インクの希釈、スキージの押し具合のすべてが完璧になったところで綺麗に仕上がる。100%とはいえないが何度もやり直して95%以上の再現ができたとは思っている。100%の再現をするには恐らくいつまでたっても終わらないかもしれない。

固体も若干の差があったので、1つ1つ位置あわせを行い、印刷をした。いろんな苦労をしていろんな素材や形状に印刷をするチャンスを与えてもらっているので、これがしんどいとは思わない。身体もいつまでも元気でいれるとは思わないが、納期に間に合わせるためには寝ないでも仕上げることは年に何回かあるのでなれている。

火曜日はお盆明けの仕事を進めようと思っている。この難しいPPファイルが終わったのでお盆前はホット一安心になった
seki

イソホロンという溶剤

PPのケースに沢山印刷する案件があるが、PPインクは乾きが早く版の目詰まりが多い。毎回洗浄していると手間だが、どうしても連続印刷ができない。もちろん設備投資をしてUVインクにすれば解決はできる、しかしその設備投資が回収できるかと言われればわからない。

バブル時代であればメーカーの方も先が読めてある程度のコミットはしてくれたのかもしれないが、今は世界経済に左右されるおかしな時代になっているので、誰もコミットをしようとしない。つまり在庫も持たなければフォーキャストも出したくなくなる時代になっている。

弊社のような零細企業もリスクはとれない、銀行借入をすればよいのかもしれないが何かがあったときのリスクを考えると自分で難儀な思いをしていつでもリスク回避ができるようにしなければならない。

T-950というメーカー推奨の一番乾きの遅い溶剤(=目詰まりがおきにくい)を使っていたが、それでも効率が悪かった。

イソホロンという溶剤をPPインクに希釈して印刷をすると超遅乾溶剤よりさらに乾燥が遅い、つまり目詰まりが起こりにくくなる。昨晩イソホロンとPPインクを混合して印刷、インクの剥離テストを行ったが問題なく合格という判断になった。目詰まりも少なくなり、多少なりとも連続印刷が可能となり、効率がよくなったことは嬉しい結果かもしれない。

しかし被印刷体が変わったら必ず密着試験を行わなければならない溶剤だとは思う

isohoron

PP製のメニューブックに印刷

これは以前も行ったが、地元で新しく開店した飲食店のメニューブックの表紙と裏側にシルク印刷だ。数量もそれほどの大型店舗でもなくチェーン店ではないので、30部ほど、昼のメニューが新たに始まるとのことで追加で昼用のメニューで20部がきた

昼を開店させる=売り上げが欲しいのかお客さんからの要望なのかはわからないが、一度いってみたら結構繁盛しているお店ではあった。しかし夜だけという贅沢もいっていられないのかもしれない、それなりの賃料に人件費もかかる、食材を活用しなければならないのでランチ営業になったのかもしれない。

メニューブックは中国製の素材、合成皮革っぽいがPPとなっていたのでPPTインクで密着する、以前もやったのでそのまま印刷、今日は裏面を仕上げれば明日には出荷できる。文字類が細かいので恐らく3個~5個印刷したら版を洗浄しなければならないであろう。こういった手間隙を惜しまずにやることが弊社の強みともいえる。

小ロットや他社で断られた案件、まずはご相談ください
oshinagaki

...1415161718